仮想通貨を支える話題のブロックチェーンという技術
仮想通貨を支える話題のブロックチェーンという技術
ブロックチェーン=分散型記帳技術
英語ではBlockchain - DLT Distributed Ledger Technology
ネットワーク接続された数多くのコンピュータ群で分散処理/データ管理を行う技術
ビットコインが全世界で定着した要因であるこの技術は取引記録を改ざんされにくい形で処理・保管できる技術で、企業のコスト削減に繋がる為、金融分野において最も開発が進んでいます。「送金システム」「クレジットカード」「ポイントシステム」「サプライチェーンシステム」など、金融業界だけではなくデジタル情報のやり取りにまで応用が考えられています。
企業が巨大なコンピューターシステムで管理していたもの(中央集権型システム)を「ブロックチェーン技術」では取引データをネット上に分散して記録する為「分散型台帳」とも呼ばれ、多くの利用者がデータを共有、改ざんされにくくなるとされています。
海外送金手数料が格安に
日本から海外の口座に送金する、または海外から日本に送金する際に数千円程度の手数料を銀行に支払っていますが、このブロックチェーン技術が使われれば送金システムは簡略化され手数料が格安になると期待されています。
仮想通貨を用いた外国通貨両替(円からドル、ドルから円など)
現在でもブロックチェーン技術を既に使用しているビットコインなどの仮想通貨に両替(例えば円からビットコインに両替後、ビットコインを米ドルに両替)すれば、外貨両替の手数料は格安に抑えられます。しかしこの事実から中国から人民元(Renminbi/CNY)を仮想通貨に替えて国外に違法に持ち出す人も多いようで、アメリカでは最近現金を入金する際に本人確認を銀行が行うようになり、今後も各国の法規制が改訂されていくと思われます。
参考記事:
各国におけるビットコインの法的な扱い
ハイパーレッジャープロジェクトとは
ハイパーレッジャープロジェクトとは
R3コンソーシアムと同じくブロックチェーン技術(分散型記帳技術)を推進する共同事業体。2016年2月からリナックスファウンデーションがこの事業体を率いるようになった。
金融機関もだが、IT企業などの一般企業が協力し合いブロックチェーン技術を活用して価値移転のスタンダードなプロトコルを構築することを目標としているようです。実はハイパーレッジャープロジェクトにはR3も参加しているので、送金システムというよりもブロックチェーン技術を使って企業間のデータ通信システムを構築する方にも重点を置いている、
ハイパーレッジャープロジェクトにはこのR3の他、JPモルガン、富士通、日立、Intel、IBM、Cisco、SWIFT、 日立などが参加しています。
IBMから提供されているFabricというブロックチェーンをプラットフォームとしているが、2016年11月7日にJP Morganがハイパーレッジャーの傘下で試験運用されていた更にセキュリティー面を強化したグローバルシンクロニゼーションログ(Global Synchronization Log -GSL) という新しい分散型台帳技術を発表している。
ハイパーレッジャープロジェクトの動き
2015年6月 デジタル・アセット・ホールディングス(DAH)がハイパーレッジャーというスタートアップ会社を買収
2016年1月 JPモルガン・チェースとDAHが提携
2016年1月 ゴールドマンサックスはIBMと共にDAHに6000万ドル出資
2016年2月 DAHは開発中のハイパーレッジャーをLinux Foundationに提供
2016年6月 Mizuhoが「ハイパーレジャー」と「オープンブロックチェーン」を用いて、決済業務の領域において仮想通貨等の検証作業を開始
2016年11月7日 JP Morganがグローバルシンクロニゼーションログ(Global Synchronization Log -GSL) という新しい分散型台帳技術を発表
そして今日
2016年11月25日、R3がコーダを2016年11月30日にリリースにすると発表しました。各機関が各々のプラットフォームを開発する事を防ぐという理由があるようです。
https://www.r3cev.com/blog/2016/11/25/countdown-to-corda-open-source
参考資料:
参考資料:
JP Morganがグローバルシンクロニゼーションログ発表
http://digitalasset.com/static/documents/The_Global_Synchronization_Log.pdf
参考資料:
DAHがLinux Foundationにハイパーレッジャープロジェクトを提供
R3コンソーシアム(共同事業体)とは
R3コンソーシアム(共同事業体)とは
ハイパーレッジャープロジェクトと同じくブロックチェーン技術(分散型記帳技術)を推進する共同事業体。
ブロックチェーン技術開発会社のR3CEV LLCがCordaと呼ばれるプラットフォームを構築、金融界に呼びかけ2015年9月にR3コンソーシアムを発足。メガバンクを中心にグローバルな共同開発が急展開。現在では40超の金融機関が参加している。
今までのR3参加者で私の目を引く銀行は次の通り。
バークレイズ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、モルガン・スタンレー、みずほ銀行、ウェルズ・ファーゴ、野村証券、三井住友銀行、SBIホールディングス。
R3コンソーシアム(共同事業体)の2016年の動き
2016年3月 JPモルガン・チェース経済顧問であったブライス・マスターズがプロジェクトの議長になる。
2016年4月 マイクロソフトがR3と提携。
2016年8月 R3CEVがコーダ(コンコルドというブロックチェーン技術を応用したプラットフォームを使用したソフト)の特許を申請。
2016年10月、R3CEV LLCは自社で開発したCordaをLinux Foundationが動かしているハイパーレッジャープロジェクトに提供したようだが、ハイパーレッジャープロジェクトは現在IBMから提供されているFabricというブロックチェーンを利用している模様。
2016年10月 JPモルガンは共同開発によって社内用イーサリアム・ネットワークを構築。プラットフォームはEthLabというイーサリアムスタートアップ企業と共同開発したQuorum。
2016年11月7日、JP Morganがハイパーレッジャーの傘下で試験運用されている更にセキュリティー面を強化したGlobal Synchronization Log (GSL) という新しい分散型台帳技術を発表。
2016年11月 ハイパーレッジャープロジェクトをIBMと率いるデジタル・アセット・ホールディングス(DAH)へ出資を行なっていたゴールドマンサックスがR3から脱退。
そして今日
2016年11月25日、R3がコーダを2016年11月30日にリリースにすると発表しました。各機関が各々のプラットフォームを開発する事を防ぐという理由があるようです。
参考記事:
コンコルド
http://blogs.wsj.com/moneybeat/2016/08/24/a-closer-look-at-r3s-concord/
マイクロソフト R3と提携
参考記事
JPモルガンがイーサリアムのQuorumを試験使用(2016年10月)